Monthly Archives: 10月 2013

ボリス・ベレゾフスキー ピアノリサイタル@バロックザール のお知らせ

みなさんこんにちは!

1990年のチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門の覇者、ボリス・ベレゾフスキーのリサイタルが11月23日、京都のバロックザールで開催されます。
今日でちょうど1ヶ月前になりました。
ベレゾフスキー
今回ベレゾフスキーは日本ツアーとして、

・11月15・16日と東京でラフマニノフピアコン2番
・17日に千葉県
・20日に東京
・23日に京都バロックザール
・24日神奈川県

以上をまわります。

そう、お気づきになられましたか?関西は京都のバロックザールのみなのです!!
貴重なコンサートになること間違いなし、です。

チケットも残りあと僅かとなりました。
この機会にぜひお求めくださいませ。

今日は11月20日の東京公演のために取られたインタビューの動画を少しお借りしてきました。プログラムは京都も同じです。

動画を見ると、冗談好きでとってもチャーミングな男性であることが分かります。
「僕のアンコールを5曲当てた人を東京のロシア料理レストランに招待するよ!一緒にウォッカを飲みましょう!」ですって・笑
ていうか、アンコールを5曲も弾いてくれるんでしょうか?!

・・・ということで、独自に(そして、勝手に)予想してみました:
1.ショパン=ゴドフスキー 黒鍵
2.ショパン=ゴドフスキー 子犬のワルツ
3.ラフマニノフ 前奏曲第1番「鐘」
4.ドビュッシー 練習曲1番 5本の指のための
5.ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ

それっぽいと思いませんか?一曲でも当たると良いのですが。

*余談ですが、フィギュアスケートの浅田真央ちゃん、今季のフリーにラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第1楽章を使用していますが、どうやらその演奏がベレゾフスキーのものらしいのです(インターネット上で検証している人がいて感心してしまいました)
GPシリーズのアメリカ大会で真央ちゃんは優勝しましたが、演技ももちろん、使用されている音楽にも注目してしまいます!

F-P. ツィンマーマン/バッハ《ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ》全曲演奏会

10月4日19時、フランク・ペーター・ツィンマーマンのヴァイオリン演奏会が開催されました。
ピアニストは1998年からペアを組んでいる、エンリコ・パーチェ。
開演直前まで、たくさんのお客さまから問い合わせをいただいておりましたが、早くから公演チケットは完売状態でした。
残念ながら演奏会に来ていただけなかったみなさまに、当日の様子をレポートいたします。

Zimmermann and Pace
(写真左:エンリコ・パーチェ、右:フランク・ペーター・ツィンマーマン)

この日のプログラムはJ.S. バッハの《ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ》全6曲でした。
当日配布されたプログラムノートにもあったように、かつてツィンマーマンはこれらの曲を「エベレストのような高い頂」と表現しました。
現代最高峰のヴァイオリニスト・ツィンマーマンにしてこう言わしめるほど、難易度の高いバッハのソナタです。
彼らはどのようにして、その「高い頂」に到達したのでしょうか?
前半は第1番から3番まで、後半は第4番から6番が演奏されました。

まず第1音から、ツィンマーマンの音の美しさと伸びに驚かされました。
第1番の第1楽章には、バッハ特有の「ため息」のモティーフが出てきますが、こちらがうっとりしてため息が出るほどに美しく、神々しくもありました。

ツィンマーマンのヴァイオリン演奏における一番の魅力は「ボウイング(弓の使い方)」にあると思います。
背中から肩、肩から腕、腕から手首にかけて、完全に脱力しているのです。
そのおかげで、自由自在に弓を扱うことが出来、いつアップ・ダウンしたのか聴衆に気付かせないほど、息の長いフレーズの演奏を可能とします。
アダージョやラルゴ楽章では、特にこの弓の使い方が映えるのです。
また、音色も一瞬にして変化します。
たとえば、第3番の第3楽章から4楽章へと移行する時、バッハはフリギア終止を用いていますが、ツィンマーマンの手にかかると、フェルマータで伸ばされた曲尾で我々を夢の中へと誘い、次の瞬間(本当に「瞬間技」です!)全くの別世界が目の前に広がります。
調性が変わるたびに音色が変わり、聴く者を飽きさせません。

それから何と言っても、パーチェとのデュオ!
思わず「生きていて良かった」と感じてしまうような、奇跡的なデュオでした。
ペアを組んで15年、お互いを完全に信頼しきっている様子が伝わってきます。
2人のやりとりはゴムのようにしなやかで、常にお互い寄り添って離れません。
どちらかが何かを仕掛けても、絶対に見失うことがないのです。凄まじい集中力です。
わたしたち聴衆は、そんな2人を同じ空間で見守りながら、その瞬間を共有していました。
何とも不思議な「共通の体験」です。こんな機会は滅多にないでしょう。
200席という限られた空間だからこそ可能である、一体感です。

 

最後に、個人的に印象的であった、ピアニスト・パーチェのピアノ奏法について。
このバッハの《ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ》はタイトルにもあるように(*)、チェンバロとヴァイオリンで演奏される機会が多い楽曲です。
ツィンマーマンとパーチェはピアノを選択したわけですが、パーチェのタッチは、ピアノでもなく、チェンバロのそれでもないという、独特のものでした。

彼の演奏姿勢をごらんください。
Pace

一般的な演奏姿勢よりも、かなり深めに椅子に腰掛けていることに気付きます。
肘は低めに、手首は高めに構えており、ツィンマーマンと同様、完全に全身を脱力させていることが分かります。
彼のタッチは主に指先からの打鍵を中心としたもので、羽で鍵盤を触っているような、軽いものだったのですが、完璧なまでに指先がコントロールされており、pppからfまで、素晴らしい強弱の幅広さでした。
写真で見ても分かるように、鍛え抜かれた筋肉を持ってますよね。
ペダリングは、全く使用しない楽曲と、多めに使用していた楽曲がありました。
「ピアノだからこそ、このような表現が出来るんだ」という、パーチェの自信が垣間見えました。
パーチェのナイスフォローがあるからこそ、ツィンマーマンも安心して演奏することが出来るのでしょう。

 

次回の主催公演は、11月23日(土・祝)、ボリス・ベレゾフスキーのピアノ・リサイタルです。
チケットはまだ少し余裕がありますので、ぜひみなさんもこの機会に、バロックザールにしかない、演奏家と聴衆の「一体感」を味わいに来てください!!

 

 

(*)実は、この楽曲に関するバッハの自筆譜は現存しておらず、他の者により残された7つの手稿譜をもとに、楽譜出版されています。現在では、《ヴァイオリンとチェンバロの》というタイトルが一般化されていますが、現存する7つの手稿譜それぞれに異なったタイトルが付けられているため、バッハがどの鍵盤楽器を想定して書いたのかは、実際は分かっていません。

青山財団です

みなさん、こんにちは!

このページでは、公益財団法人 青山財団が行っている事業の紹介や、青山音楽記念館バロックザールで行われている演奏会をご紹介したり、演奏会レポートを掲載したりする予定です。

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