Monthly Archives: 11月 2014

【平成26年度奨学生インタビュー③】愛知県立芸術大学音楽学部マリンバ専攻4年 平光優里(ひらみつゆり)さん

今年で2年目となる、公益財団法人 青山財団による「奨学金事業」。
今年も、東京藝術大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学から極めて優秀な学生たち45名が財団の奨学生として活躍しています。
平成27年3月15日・21日には、その奨学生たちが一堂に会し、一年間学んだ成果を京都・青山音楽記念館バロックザールにて披露してくれます。
この演奏会を記念して、6回にわたって奨学生の皆さんをご紹介したいと思います。
第3回は、愛知県立芸術大学音楽学部マリンバ専攻4年 平光優里(ひらみつゆり)さんです。

 

――平光さんは昨年度も青山財団の奨学生でしたね。1年間、どんなことを学んできましたか?
平光さん(以下、敬称略):昨年度もありがとうございました。おかげさまで国内外のコンクールやオーディションを受けることができました。特に、初めて受けた海外(イタリア)のコンクールでは、日本と全く違う環境・言語の壁がある中で音楽を通して様々な国の人と関わったことが、自分の成長に繋がっていると思います。

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――それは良かったですね!「第1回音の祭典」の演奏会ではとても素敵なマリンバの音を聴かせてくださいましたが、平光さんがマリンバを始められたきっかけを教えてください。
平光:中学校の吹奏楽部で打楽器パートになったことがきっかけです。
マリンバ以外の打楽器ももちろん経験したのですが、その中でもマリンバをもっと勉強したいと思い、高校へ進学する時にマリンバを習いはじめました。

 

――ずばり、マリンバの魅力はどこにあるでしょうか?
平光:一打叩いたときにポンっと響く「木のあたたかい音」だと思います!
また人の声のような優しい音や、雷のような激しい音など…自由自在に音創りができるところがマリンバの魅力だと思います。

――分かります、マリンバのあたたかい音、わたしも大好きです。ところで平光さんは今年で学生生活を終えられますね。愛知県立芸術大学での毎日はさぞかし充実していらっしゃるでしょう。
平光:大学が自然豊かな場所にあるので、とてものびのび練習することができます。私は個人練習は家ですることが多いのですが、他の大学に比べて人数が少ないので打楽器アンサンブルやオーケストラなどで演奏する機会も多く、色々な勉強をさせていただいています。
残り少しの学生生活を楽しく、大切に過ごしたいです。

 

――そうですね、残すところあと少し、悔いの無い学生生活を送ってくださいね。先日、3月の「音の祭典」で演奏されるプログラムを教えてくださいましたが、聴き所を教えていただけますか?
平光:はい、私は6楽章から構成される《Reflections on the Nature of Water》から、第2楽章〈Fleet〉・第4楽章〈Gently swelling〉・第5楽章〈Profound〉を演奏します。
この曲はアメリカ人の作曲家ジェイコブ・ドラックマンが、ドビュッシーの《水の反映》とモネの絵画に影響を受けて作曲しました。
水や光の色んな表情を聴いていただけるよう、繊細に表現したいです。

 

――わぁ、それはとっても楽しみです!確かにマリンバの音色とドビュッシーやモネの世界観はどこかでリンクしているような気がします。さて、最後の質問です。将来の目標について教えていただけますか?
平光:世界中に私の音楽を広げていきたいです!そして「また聴きたい」という気持ちになっていただけるような演奏家を目指して、どこまでも想像力豊かにマリンバと向き合っていきたいと思います。

【平成26年度奨学生インタビュー②】桐朋学園大学音楽学部声楽専攻(ソプラノ)4年 岡崎陽香(おかざきはるか)さん

今年で2年目となる、公益財団法人 青山財団による「奨学金事業」。
今年も、東京藝術大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学から極めて優秀な学生たち45名が財団の奨学生として活躍しています。
平成27年3月15日・21日には、その奨学生たちが一堂に会し、一年間学んだ成果を京都・青山音楽記念館バロックザールにて披露してくれます。
この演奏会を記念して、6回にわたって奨学生の皆さんをご紹介したいと思います。
第2回は、桐朋学園大学音楽学部声楽専攻(ソプラノ)4年 岡崎陽香(おかざきはるか)さんです。

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――岡崎さんは声楽専攻でいらっしゃいますが、どのようにして歌の道に進もうと思われたのですか?
岡崎さん(以下、敬称略):音楽教室の先生に歌が歌えるからとミュージカルに誘っていただいたことがあり、その時参加した公演に声楽の先生がたまたまいらして声楽の道を勧めてくださいました。

 

――きっとそのミュージカルでの岡崎さんの歌声がとても素敵だったので、声楽の道を勧めてくださったのでしょうね。声楽は人間の身体全体が楽器なので調整が難しいイメージがあります。
岡崎:日々のコンディションによって声の響き方が変わり、その時々の癖に対応して歌い方を変えていかなくてはなりません。
また、感情的になりすぎたり、技巧的な旋律で身構えると、重心が上がってきて苦しくなってくるので、美しい音楽を奏でる冷静さと、音楽の世界観をリアルに伝えることとのバランスを取ることに、いつも難しさを感じます。

 

――でも、そのような難しさを克服することによって、素晴らしい音楽が生まれるのでしょうね。岡崎さんはどのような時に「音楽をやっている幸せ」を感じますか?
岡崎:自分の演奏で、音楽と言葉で作り上げられた世界観と歌声の美しさをより深く味わってもらえた時が1番嬉しい瞬間です。
多くの場合、言葉の壁を乗り越えて、音楽と詞が織り成す世界を表現しなくてはいけません。でも、それがうまくいった時って、観客と歌手が一つになって、無理のない伸びやかな演奏ができてるんですよ。

――音と詞を同時に表現出来るのは歌しかありませんし、うまくいった時の感動を身体全体で感じることが出来るなんて羨ましくてたまりません。そのような本番を迎えるために、大学ではどのような勉強をなさっているのでしょうか?
岡崎:大学では週に1度レッスンがあり、毎回先生のご指導の下、自分の悪い癖に向き合って発声について研究しながら、レパートリーの曲を探して勉強するということをしています。またそれとは別に、歌の重要な要素である言葉を、的確に伝える発音の授業や、オペラの一場面を演じて研究するオペラクラスなどの授業があります。
最近は大学の企画する外部演奏会が多く、声のアンサンブルについて知る機会が多いです。

 

――なるほど、様々な面から声楽を勉強なさっているのですね。岡崎さんが大学で勉学に励まれている様子を知り、3月の「音の祭典」ではどんな演奏を見せてくださるのだろう、とますます楽しみになってきました。素敵な曲(シューマンの歌曲や歌劇《セビリアの理髪師》からロジーナのアリア)を歌ってくださいますよね。
岡崎:今回3月ということで歌曲は春の訪れを待ち望む爽やかな選曲にしました。また、立ちはだかる壁を乗り越えて強い信念で突き進むロジーナが大好きで、このアリアはずっと憧れの曲でした。今回こうしてこの舞台で歌わせてもらえるのが幸せです。

 

――わたしだけではなく、他の方々も岡崎さんの歌を拝聴出来る機会を楽しみにしていると思います。さて、最後になりましたが将来の夢を教えてくださいますか?
岡崎:生涯を通してたくさんの方に、音楽の素晴らしさを届ける国際的なオペラ歌手になりたいです。

【平成26年度奨学生インタビュー①】東京藝術大学音楽学部古楽科(チェンバロ専攻)3年 石川友香理(いしかわゆかり)さん

今年で2年目となる、公益財団法人 青山財団による「奨学金事業」。
今年も、東京藝術大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学から極めて優秀な学生たち45名が財団の奨学生として活躍しています。
平成27年3月15日・21日には、その奨学生たちが一堂に会し、一年間学んだ成果を京都・青山音楽記念館バロックザールにて披露してくれます。
この演奏会を記念して、6回にわたって奨学生の皆さんをご紹介したいと思います。
第1回は、東京藝術大学でチェンバロを勉強されている石川友香理(いしかわゆかり)さんです。

 

――石川さんは「チェンバロ」という楽器を専攻していらっしゃいますね。この楽器について教えていただけますか?
石川さん(以下、敬称略):チェンバロはピアノの作られる前の時代に活躍していた楽器です。ピアノは打鍵するとハンマーで弦を叩いて音を出すのに対して、チェンバロは弦をツメではじいて音を出します。ピアノはその名の通り、ピアノからフォルテまで幅広く強弱の差を出せる楽器として開発されましたが、チェンバロではピアノほどの強弱は出せない楽器でもあります。また現代のピアノよりも音域は狭く、音域の広いものでも5オクターブ程度しかありません。
なんだかネガティブな事しか書かれていない気もしますが、それはチェンバロからピアノ、さらに現代のピアノになるまでにさまざまな過程を経て開発されてきた歴史があるためです。

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――なるほど、チェンバロはピアノの前身とも言うべき楽器なのですね!石川さんはどのようにして、このチェンバロという楽器に出会われたのですか?
石川:高校まではピアノを専攻していたのですが、バロック音楽に惹かれ副科でチェンバロを習い始めました。また家の近い所にチェンバロ製作者の方がいらっしゃり、工房によくお邪魔させていただいていました。その方のご縁で、古楽オーケストラの演奏に参加したり、工房の楽器で演奏出来る機会をいただいたりして通奏低音の魅力にも取りつかれていったのです。

 

――なるほど、とても身近なところに「チェンバロ」があったのですね。ところで石川さんは今年5月に開催された「第27回国際古楽コンクール〈山梨〉」で奨励賞を受賞されました。おめでとうございます!
石川:日本国内での古楽演奏のコンクールは少ないため、このコンクールには毎年多くの古楽勉強者が参加します。今回は同級生やいろいろな先輩方、また海外からの方を含む、知らない方の演奏を聴いて勉強できるとても貴重な機会でした。特にプレリュードなどの即興性の高い曲や良い趣味の求められるフランス・バロックの曲といった、個人によって様々な演奏の違いが出やすい曲は聴いていてとても興味深かったです。今回はありがたい事に賞をいただけましたが、同時に多くの課題を見つける事のできた大会でした。

 

――良い経験が出来て良かったですね!来年3月に開催される「音の祭典」では、J. S. バッハのトッカータト長調を演奏してくださいますね。
石川:はい、この曲はバッハが20歳代の若かりし頃に書いたとされる作品で、現在の私と同じような歳の時に書かれたと考えると、改めてその素晴らしさに尊敬の念を抱きます。全部で3部分からなるこの曲ですが、始めに華やかな協奏曲形式の部分、続いて崇高な雰囲気のモテット風のアダージョの部分、最後に軽やかなテーマによる3声のフーガで締めくくられます。バッハのさまざまな作曲形式による魅力の詰まった1曲なので、その違いなどに注目してお楽しみください。

 

――いまからとても楽しみです!最後に、将来の目標を教えてください。
石川:確固たる説得力のある演奏の出来る奏者になる事が目標です。演奏は自分を表現するものではなく、作品の本質を届けるものだと思っているので、自分よがりにならない演奏をといつも考え、それを極められればと思っています。