Monthly Archives: 12月 2014

情報誌『ばろっくざーる』Vol. 50が刊行されました!

「芸術の秋」の演奏会ラッシュは一段落つきましたが、冬のバロックザールも素晴らしい演奏会が目白押しです。
情報誌『ばろっくざーる』では、そんな素敵な演奏会に関する情報をお届けします。
今号は、来年3月1日に招聘する巨匠ピアニスト、イェフィム・ブロンフマンのインタビューや青山財団奨学生による演奏会(3月15・21日両日開催)情報をご紹介。
連載3回目となる「わたしはメロマーヌ」には、若手気鋭画家の忠田愛さんをお迎えしています。

どうぞご覧ください!

vol.50omote

情報誌『ばろっくざーる』Vol. 50 表面(PDF)

vol.50naka

情報誌『ばろっくざーる』Vol. 50 中面(PDF)

【平成26年度奨学生インタビュー⑥】沖縄県立芸術大学音楽学部ピアノ専攻4年 南部璃子(なんぶりこ)さん

今年で2年目となる、公益財団法人 青山財団による「奨学金事業」。
今年も、東京藝術大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学から極めて優秀な学生たち45名が財団の奨学生として活躍しています。
平成27年3月15日・21日には、その奨学生たちが一堂に会し、一年間学んだ成果を京都・青山音楽記念館バロックザールにて披露してくれます。
この演奏会を記念して、6回にわたって奨学生の皆さんをご紹介したいと思います。
最終回は、沖縄県立芸術大学音楽学部ピアノ専攻4年 南部璃子(なんぶりこ)さんです。

 

――京都市ご出身の南部さん、なぜ沖縄県立芸術大学を目指されたのでしょうか?沖縄県芸の魅力を教えていただけますか?
南部さん(以下敬称略):進路の先生に沖縄県芸を提案してもらったのがきっかけでした。紹介してもらった先生のピアノの音に惹きこまれて、こんなピアノが弾きたいなと思い、この先生に習いたいと思って受験を決めました。また、オープンキャンパスで沖縄に来た時に、私の波長と合っていたというか、沖縄の環境や雰囲気がとても心地よかったのも、迷わず決意できた決め手でした。

%e5%8d%97%e9%83%a8%e7%92%83%e5%ad%90%ef%bc%88%e6%b2%96%e7%b8%84%e7%9c%8c%e8%8a%b8%ef%bc%89

――そんな沖縄県芸での大学生活はいかがですか?
南部:少人数なので、全学年全専攻の学生と交流があります。また、学生同士も学生と先生にも壁はなく、色んな専攻の先生や演奏員さんから叱咤激励をいただけるとても良い環境です。
沖縄県芸の音楽学部は、琉球音楽と西洋音楽が一つの学部の中にあります。どこからか三線の音やエイサーの音が聞こえてきたり、琉球音楽を学べる授業もあります。ピアノ漬けの生活ではありますが、沖縄の自然のなかで他の音楽にも接し、自由な気持ちで勉強することが出来ています。

 

――多角的な視野で音楽を学ぶことが出来るのですね、いいなぁ。ところで南部さんがピアノを演奏していて、難しいと感じられる瞬間はどのような時ですか?
南部:ピアノは色んな音色が出せる楽器ですが、色んな音色を出すのが私にとっては一番難しいです。出す音全てに、それぞれ色彩を持たせて、生きた響いた音にすることは、本当に難しくていつもくじけそうになるのですが、妥協せずに追及し続けることが大切だなと思っています。

 

――妥協せずに追究し続けること、わたしもとても大切だと思います。南部さんはピアノ演奏に対して、どのようなところに魅力を感じているのですか?
南部:ソロだけでなく、伴奏やアンサンブルにもとても魅力を感じます。こんなに色んな人と色んなジャンルで演奏できる楽器ってピアノ以外にないと思うので、そのような機会は大事にするようにしています。これまでも色んな出合いがあったので、これからも色んな出合いがあると思うと、とても楽しみです。

 

――次の3月に開催される演奏会ではドビュッシーを弾いてくださいますね。
南部:ドビュッシーの前奏曲集から、「デルフィの舞姫たち」と「花火」を演奏します。私は大学に入るまで、フランス人作曲家の作品はほとんど勉強したことがなかったのですが、他の作曲家にはない色彩感や繊細さ、耳からだけでなく目や肌や匂いからも感じる音楽にとても魅力を感じました。まだまだ未熟な演奏だと思いますが、私が感じた魅力を少しでも伝えることが出来たらいいなと思います。

 

――それでは最後に、将来の目標を教えてください。
南部:まだまだ自分は勉強途中なので、大学院でのあと2年間沖縄で、音楽的にも人間的にもさらに成長して、表情豊かな表現ができるように頑張りたいと思っています。

 

—————————————————————————————————————-
【若き音楽家たちによる音の祭典
――第2回 公益財団法人 青山財団 奨学生による成果披露演奏会――】

Vol. 1 平成27年3月15日(日)昼の部13時開演/夜の部18時30分開演
Vol. 2 平成27年3月21日(土)昼の部13時開演/夜の部18時30分開演
※開場は開演の30分前になります。
※昼の部・夜の部の間に入れ替えが有ります。
◆入場料:無料、受付整理券要(各部とも200名まで)
◆主催:公益財団法人 青山財団
◆後援:京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会
東京藝術大学音楽学部、桐朋学園大学音楽学部、愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学音楽学部、相愛大学音楽学部、沖縄県立芸術大学音楽学部
◆京都青山音楽記念館 バロックザール 京都市西京区松尾大利町9-1

◆受付整理券申込方法:
1.ハガキ、メール (music@barocksaal.com) にて受け付けております。また、直接ご来館頂いても構いません。電話・FAXでの受付は行いません。
<ハガキ・メールで申し込まれる方>
以下の必要事項をご記入の上、当財団までご郵送・ご送信ください
・入場ご希望の方の氏名(複数の場合は全員の氏名をご記入下さい。)
・連絡先ご住所とお電話番号(複数の場合は全員分の住所と電話番号をご記入下さい。)
・ご入場を希望される日程(15日あるいは21日)とお時間(昼の部あるいは夜の部)
・ご入場を希望される日程やお時間が複数ある方は、すべてご記入ください。
<直接ご来館頂き申し込まれる方>
ご来館頂いた際に連絡先ご住所とお電話番号を用紙にご記入ください。
2.申込ハガキ・メールが到着次第、受付整理番号を記載した整理券を送付いたします。この整理券はコンサート当日の入場に必要ですので、大切に保管してください。
3.コンサート当日、お送りした整理券を会場受付でお渡しください。
4.整理券のお申し込みは、平成26年12月20日(土)から受け付けます。
申込数が定員に達し次第、申込受付を締め切り、その旨を財団ホームページに記載致します。
5.お申し込みから2週間が経っても整理券が届かない場合は、お手数ですが当財団までお問い合わせください。
◆申込先:〒615-8282 京都市西京区松尾大利町9-1
公益財団法人 青山財団 「第2回奨学生成果披露演奏会」係
◆お問い合わせ:(公財)青山財団 TEL:075-393-0011

【平成26年度奨学生インタビュー⑤】相愛大学音楽学部ヴァイオリン専攻3年 松岡井菜(まつおかせいな)さん

今年で2年目となる、公益財団法人 青山財団による「奨学金事業」。
今年も、東京藝術大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学から極めて優秀な学生たち45名が財団の奨学生として活躍しています。
平成27年3月15日・21日には、その奨学生たちが一堂に会し、一年間学んだ成果を京都・青山音楽記念館バロックザールにて披露してくれます。
この演奏会を記念して、6回にわたって奨学生の皆さんをご紹介したいと思います。
第5回は、相愛大学音楽学部ヴァイオリン専攻3年 松岡井菜(まつおかせいな)さんです。

%e6%9d%be%e5%b2%a1%e4%ba%95%e8%8f%9c%ef%bc%88%e7%9b%b8%e6%84%9b%ef%bc%89

――松岡さんは今年6月に開催されたABC新人コンサートで見事「最優秀音楽賞」を受賞されましたね、おめでとうございます!オーディションの裏話などありましたら聞かせていただけますか?
松岡さん(以下、敬称略):1、2回目のオーディション(予選)の会場は、何度か弾かせて頂いた事のあるホールだったので、どちらかというとリラックスした状態で演奏できました。3回目・本選の「ABC新人コンサート」は、ザ・シンフォニーホールで演奏させて頂けるということで、とても楽しみにしておりました。というのも、オーケストラでは何度か弾いた事があったのですが、ソロでは初めてだったので・・・。
でも、ゲネプロで舞台に立った時、見た目以上に空間が大きく感じられ、すっかり圧倒されてしまって。今までの人生で一番緊張した本番となりました。
ですが、たくさんのお客様がとても暖かく見守って下さっているのが感じられ、演奏後にはとてもほっとできました。

 

――そうだったのですか、それでは今までとはひと味異なる本番になったのですね。ところで松岡さんは、どのようにしてヴァイオリンを始められたのですか?
松岡:5才の頃、楽器の形に惹かれ「チェロがやりたい」と言っていたのですが、子供用分数チェロの存在を知らなかった母に、「あれは大人の楽器だよ」と言われ、形が同じでサイズが小さかったヴァイオリンを弾きたいと言ったのがきっかけです。
その後、両親が全く本気にしていなかったので、サンタさんに「ヴァイオリンを下さい」とお手紙を書きました。が、翌朝枕元にあったプレゼントは全然違うものでした。
その時、「サンタさんは嘘つきだ」と大泣きしたらしく、困った両親がやっとヴァイオリンを買ってくれました。

 

――とっても可愛らしいエピソードですね(笑)。もしヴァイオリンではなく、チェロを始めていたらどんな松岡さんになっていたのかも気になるところですが・・・。 ヴァイオリンは一日何時間くらい練習するのですか?
松岡:平均で3時間ほどですが、たまに「今日は弾かない!」と決めて、一日中のんびり過ごしている時もあります(笑)。練習以外の時間は、お昼寝をしたり、料理をしたり、楽譜の製本、整理など色々なことをしています。また、博物館や美術館に行くこともあります。

 

――ヴァイオリンを演奏なさる以外にも色んな楽しみや趣味を持っていらっしゃるようで、素晴らしいですね!それでは最後に、松岡さんが好きな作曲家についてお話を聞かせていただきましょう。
松岡:好きな作曲家はたくさんいるのですが・・・その中でも特に曲に触れて刺激を受けるのはモーツァルトとプロコフィエフです。モーツァルトは、優雅でとても明るい曲が多く、その中のお茶目な部分や甘く優しい部分ももちろん大好きです。
でも、それ以上に、切ない部分や、人生の苦しさ、葛藤を感じる曲も多く、モーツァルトの涙や心の叫びがあるように感じられ魅力的に思うのです。
天才で人間離れしているといわれたモーツァルトが、ふつうの人と同じように多くの悩みを抱えながら生活し、曲を書いていたんだなあと思うと、とても愛おしく感じてくるのです。
プロコフィエフは、初めて聴いた時、まるで全ての音が、色、形、軟らかさ、硬さ、手触り、味など、聴覚以外の五感に作用してくるように聴こえてからすっかりとりこになってしまいました。聴いているだけでムフフとなってしまう作曲家でもあります(笑)。

 

――ありがとうございました。松岡さん自身がとても楽しんでヴァイオリンを演奏していらっしゃる様子が目に浮かぶようです。3月の演奏会もとても楽しみにしております。

【平成26年度奨学生インタビュー④】京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻4年 西岡沙樹(にしおかさき)さん

今年で2年目となる、公益財団法人 青山財団による「奨学金事業」。
今年も、東京藝術大学、桐朋学園大学、愛知県立芸術大学、京都市立芸術大学、相愛大学、沖縄県立芸術大学から極めて優秀な学生たち45名が財団の奨学生として活躍しています。
平成27年3月15日・21日には、その奨学生たちが一堂に会し、一年間学んだ成果を京都・青山音楽記念館バロックザールにて披露してくれます。
この演奏会を記念して、6回にわたって奨学生の皆さんをご紹介したいと思います。
第4回は、京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻4年 西岡沙樹(にしおかさき)さんです。

%e8%a5%bf%e5%b2%a1%e6%b2%99%e6%a8%b9%ef%bc%91%ef%bc%88%e4%ba%ac%e8%8a%b8%ef%bc%89

――西岡さんは昨年度も青山財団の奨学生でしたが、どのようにして1年間を過ごされましたか?
西岡さん(以下、敬称略):そうですね、おかげさまで積極的に講習会やコンクールなどの機会へ足を踏み出すことが出来ました。また、奨学生であるという自覚と共に、より多く前進したいという意識を常に持つことができ、良い刺激になりました。

 

――「第1回若き音楽家による音の祭典」では、バロックザールでリスト編曲のファウストのワルツを演奏してくださいましたね。演奏してみて「バロックザール」というホールはいかがでしたか?
西岡:大学入学をきっかけにバロックザールの近所に住み始め、大学の先生・先輩方の演奏会に行く機会も増え、私もいつかここで演奏できればいいなと、漠然と憧れていました。奥行きに対する縦の空間の比率が高く、リハーサルでは響きの捉え方に苦労しました。ですが、実際本番で弾いてみると、客席との距離の近さからくる”生”を感じられる高揚感と共に、心地よい響きを感じることが出来たので、そのような魅力的なホールでまた演奏できるのをとても楽しみにしています。

 

――わたしたちも、また成長なさった西岡さんのピアノ演奏を聴くのが今からとても楽しみです。さて、西岡さんがピアノを始められたきっかけを教えてくださいますか。
西岡:母が自宅でピアノを教えていたので、自然と興味を持ってピアノ触れるようになったのがきっかけです。幼い頃、小さな椅子をお立ち台にして、歌を歌ったりもよくしていたらしく、どうやら元々舞台のような目立てる場所が好きだったようです(笑)

 

――まあ、小さい頃から「演奏家向き」の子どもさんだったんですねぇ。
小さいころから今まで、毎日欠かさずピアノの練習をなさってきたこととは思いますが、たまには息抜きも必要ですよね?音楽以外に趣味はありますか?
西岡:ここ数年で読書に興味を持つようになりました。普段当たり前のように繰り返している思考回路の外側へ連れ出してくれるところが、魅力ですね。話の内容に心動かされるのとは別に、表現方法に何かハッとした時には、「私は今なぜこの表現に惹かれたのだろう?」と無意識のうちに分析している自分がいて、どこか音楽へのヒントを得ようとしていたりもします。

%e8%a5%bf%e5%b2%a1%e6%b2%99%e6%a8%b9%ef%bc%92%ef%bc%88%e4%ba%ac%e8%8a%b8%ef%bc%89

――3月の演奏会で演奏されるスクリャービンのピアノ・ソナタ第4番は、それこそあらゆる面での「分析」が必要な楽曲ですよね。
西岡:この作品を演奏するのは高校2年生の時以来です。当時の自分には理解しきれない精神世界があって、しばらく避けていたのですが、年を経て哲学的な思想に興味を持ち、今一度取り組みたくなりました。私自身はこの曲に色々な質感の光の存在を感じ、また、独特の和声やリズム遣いによるジャズ的な要素も漂っていると思うので、そのあたりも楽しんで頂けるよう表現できればと思います。

 

――音の美しさが光るソナタ第4番、今からとても楽しみです!さて、西岡さんは京都芸大での学生生活は今年が最後ですね。卒業後の目標を教えてくださいますか?
西岡:ある講習会で、斬新なアイデアに富んだ指導をされるフランス人の先生との出会いがあり、元々好きだったフランス音楽に更に惹かれました。これからは勉強の場を日本からフランスへ移し、その音楽たちが生まれた空気に触れながら、常に新たな可能性を求めつつ、様々なことを吸収していきたいです。