青山音楽賞受賞者からのエアメイル2~ピアニスト 萬谷 衣里さん~

毎年1月から12月、「青山音楽賞」にエントリーがあった演奏会の中から、「新人賞(25歳以下)のソロ・リサイタル)」、「青山賞(26歳以上のソロ・リサイタル)」そして「バロックザール賞(室内アンサンブル)」が選ばれます。

今年度で27回を迎える青山音楽賞。これまで、国内外で活躍するたくさんの音楽家を顕彰してきました。今日は、2014年度青山音楽賞「音楽賞(現 青山賞)」を受賞し、現在はドイツのベルリンを拠点に活動していらっしゃるピアニストの萬谷衣里さんによるエアメイルを紹介します。

 

————–

音楽賞の受賞対象となったリサイタルを行ってから、早くも2年が経とうとしています。演奏会当時は留学先のドイツ・ロストックでの勉強を終え、ベルリンに拠点を移してからちょうど一年が経過したところでした。リサイタルの準備期間もそれまでとは違った環境で、新鮮な気持ちで取り組んでいたように思います。
念願だった音楽賞をいただき、漠然と思い描いていた「ドイツのレーベルで二枚目のCDを制作する」という夢が現実的なものになりました。そして、ご縁があってデトモルトのレコード会社・MDGでの録音・制作が可能になったのです。もともとドメニコ・スカルラッティのソナタかブラームスの後期のピアノ曲を録音したかったのですが、会社の方の薦めもあり、スカルラッティになりました。嬉しいことに同社からは、私の大好きなピアニストのひとりであるクリスティアン・ツァハリアス氏によるスカルラッティのソナタ集も発売されています。

 

萬谷さんCDジャケット写真

萬谷さんCDジャケット写真

 

レコーディングは2016年5月、マリーエンミュンスターという町のコンサートホールで三日間にわたって行われました。トーンマイスターのロディング氏(ドイツレコード賞のエコー賞を録音エンジニアとして初めて受賞された方)の的確なアドバイスとサポートのお陰で、長時間の収録も最後まで集中が途切れず、納得のいくものができました。二人とも持参したサンドウィッチやお菓子を食べる以外は、ほとんど休憩もとらなかったのですが、コーヒーマシーンを起動させて淹れた挽きたてのコーヒーを立ち飲みしながら気分転換をするわずかな時間が、とても心地よく感じられました。

 

トーンマイスター・ロディング氏と調律師のコーリング氏と一緒に

トーンマイスター・ロディング氏と調律師のコーリング氏と一緒に

 

スカルラッティのソナタが19曲入った私のCDは、この文章が掲載されるころには完成している予定です。年末には八幡市と大阪で演奏会がありますが、バロックザールでの研修成果披露演奏会は来年なので、落ち着いて準備していきたいと思います。CDはもちろん、ライブでの演奏を皆様にお聴きいただけることを、今からとても楽しみにしています!

 

————–

 

<編集人より>
ちなみに、萬谷さんのCDは彼女のHP(本人の直筆サイン入り)、アマゾンタワーレコードHMVなどで購入可能です!
驚くほど豊かな音色、煌めくようなピアノ・タッチ――いつまでも聴いていたくなる一枚です。