2019年度第29回青山音楽賞受賞者は下記の通りです。
新人賞(2名)
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今岡秀輝(ヴァイオリン)
受賞公演:「今岡秀輝 ヴァイオリンリサイタル」 2019年03月07日(木)
【評価】音楽を表現する技術力とエネルギーが存分に備わっている。特筆すべきは極めて美しい清澄な音色。
作曲家の内面に寄り添う誠実な音楽づくりで、終始聴衆を惹きつけた。
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1995年生まれ 京都市出身。
5歳よりヴァイオリンを始める。京都堀川音楽高校卒業、東京藝術大学音楽学部卒業、現在、東京藝術大学大学院音楽研究科2年在学中。
2002年、2006年、子供のためのヴァイオリンコンクール金賞。2011年全日本学生音楽コンクール大阪大会第3位。2011年日本演奏家コンクール全国第3位。2013年関西弦楽コンクール優秀賞並びに審査員特別賞。
2015年ラ・フォルジュルネびわ湖ホール出演。びわ湖ミュージックハーベスト受講生。2017年東京藝術大学奏楽堂モーニングコンサートではソリストとして、高関 健指揮、藝大フィルハーモニー管弦楽団と、ショスタコーヴィチ作曲 「ヴァイオリン協奏曲第1番」を共演。2017年9月京都堀川音楽高校コンサート「響粋」、2018年8月同ホールにて「今岡秀輝ヴァイオリンリサイタル」出演。2018年6月東京藝術大学と英国王立音楽院との合同オーケストラ参加のため渡英。
2018年11月「第3回宗次ホールツィゴイネルワイゼンコンクール」 第2位入賞、2019年2月日本イタリア協会「第10回コンコルソムジカアルテ」にて最優秀大賞(グランプレミオ-スペチャーレ)を受賞。
これまでに、李 陽、木村和代、玉井菜採の各氏、現在は、堀 正文、篠崎史紀の各氏に師事。
佐山裕樹(チェロ)
受賞公演:「佐山裕樹 チェロリサイタル」 2019年11月21日(木)
【評価】新人の域を超えたと思わせる安定した高度な技量。曲の細部まで豊かに歌いあげて聴く者の心を奪う。
心に残る感動的な名演であった。
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1996年生まれ 栃木県出身。
第13回ビバホールチェロコンクール第1位。第70回全日本学生音楽コンクールチェロ部門大学の部東京大会及び全国大会第1位。クロンベルク・アカデミー(ドイツ)で行われたチェロマスタークラス2018にて、フランス・ヘルメルソン氏のレッスンを受講。選抜メンバーによるファイナルコンサートに出演し、フランス・ヘルメルソン賞を受賞。これまでに栃木県交響楽団、真岡市民交響楽団、YAO管弦楽団、宇都宮シンフォニーオーケストラと共演。
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀に参加。チェロを宮田 豊、林 峰男、宮田 大、倉田澄子各氏に師事。室内楽を山崎伸子、堤 剛、伊藤亮太郎、練木繁夫各氏に師事。
桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学音楽学部チェロ科を首席で卒業。2019年度桐朋学園大学チェロアンサンブル・サイトウ奨学生。現在、桐朋学園大学音楽学部ソリスト・ディプロマコース在籍。
青山賞(2名)
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豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)
受賞公演:「豊嶋泰嗣 バッハ・プロジェクト WORKS for SOLO VIOLIN」 2019年11月09日(土)
【評価】バッハの無伴奏ソナタとパルティータの全曲演奏という偉業。ヴァイオリンと言う楽器を超越し、祈りにも似た感動を覚えた。時代を超えた普遍性を伝える渾身の演奏であった。
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1964年生まれ 東京都出身。
桐朋学園女子高等学校、桐朋学園で江藤俊哉、アンジェラの両氏に師事。在学中よりヴァイオリン、ヴィオラ奏者としてソリスト、室内楽、コンサートマスターとして演奏活動を始める。86年、大学卒業と同時に新日本フィルのコンサートマスターに就任し楽壇デビュー。現在は新日本フィルのソロコンサートマスター、九州交響楽団の桂冠コンサートマスター、兵庫県立芸術文化センター管弦楽団のコンサートマスターをつとめている。また、指揮者・小澤征爾との30年に渡る信頼関係から、サイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管でもコンサートマスターを務めている。近年ではコルンゴルト、三善 晃、バルトークなどの協奏曲のソリストとしてもオーケストラの定期演奏会に出演。19年11月にはバッハのヴァイオリン全作品を3回に分けて演奏するコンサートを京都で開催した。アルティ弦楽四重奏団のメンバー、チェンバーソロイスツ佐世保の音楽監督としても活躍している。
91年村松賞、第1回出光音楽賞、92年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。平成25年度兵庫県文化賞受賞。京都市立芸術大学教授、桐朋学園大学および大学院講師。
1719年製 アントニオ・ストラディバリウスを使用。
石上真由子(ヴァイオリン)
受賞公演:「石上真由子 ヴァイオリンリサイタル」 2019年12月22日(日)
【評価】超絶技巧もさることながら、民族的な音楽的言語を具現化する力に長け、鋭い感受性で音楽の本質を捉え繊細かつ明確に表現した。満席の聴衆の喜びが伝わる素晴らしい演奏会であった。
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1991年生まれ 京都市出身。
8歳の時にローマ国際音楽祭に招待される。高校2年生で第77回日本音楽コンクール第2位、併せて聴衆賞及びE・ナカミチ賞受賞。その他、宗次エンジェルヴァイオリンコンクールや、ルーマニア国際音楽コンクール、チェコ音楽コンクール、バルトークコンクールなど、様々なコンクールで優勝・受賞。
NHKFM名曲リサイタルやリサイタル・ノヴァに出演。NHKテレビではドキュメンタリーや東京交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団との共演も放送された。東京交響楽団、京都市交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、ブラショフ国立交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京ニューシティ管弦楽団、セントラル愛知交響楽団など、国内外で多数のオーケストラと共演。海外の音楽祭にも多数出演している。ソロ活動と共に長岡京室内アンサンブル、アンサンブル九条山のメンバーとしても活躍。
Ensemble Amoibeシリーズ主宰。Music Dialogueアーティスト。CHANEL Pygmalion Days室内楽アーティスト。京都コンサートホール第1期登録アーティスト。令和元年度京都市芸術新人賞受賞。日本コロムビアよりCD「ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ」好評発売中。
バロックザール賞(2組)
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小島 燎(ヴァイオリン) / 久末 航(ピアノ)
受賞公演:「小島燎 久末航 デュオリサイタル 2019」 2019年03月08日(金)
【評価】互いを尊重し音楽を創り上げる姿が自然であり、心に触れる音色の深さ、優美さ、音楽的な品格の高さも魅力的であった。デュオの質の高さを堪能できる至福の演奏会であった。
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小島 燎:広島県出身。
大阪国際音楽コンクールおよび全日本学生音楽コンクール第1位、ABC新人コンサート音楽賞、アカデミー・ラヴェル賞受賞。
これまでに小島秀夫、長原幸太、小栗まち絵の各氏に師事。京都大学総合人間学部卒業後、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてパリ・エコールノルマル音楽院のレジス・パスキエ氏のもとへ留学、コンサーティスト課程を満場一致の称賛付きで修了。
フランスを中心に活動の場を広げ、これまで各地の音楽祭にて著名な演奏家と多数共演。その模様はfrance musique、medici.tv、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」等で放送されており、特にパリ室内楽センターでの活動は高く評価されている。
現在、ダフニス弦楽四重奏団およびトリオ・コンソナンスとしてパリ国立高等音楽院室内楽科にてジャン・スレム、イタマール・ゴランの各氏に師事、フィルハーモニー・ド・パリ主催の弦楽四重奏コンクールにて入賞。またブリュッセル王立音楽院にて堀米ゆず子氏に師事。
久末航:滋賀県大津市出身。
2009年度京都青山音楽新人賞受賞。第66回ミュンヘン国際音楽コンクール第3位及び委嘱作品特別賞受賞。バイエルン放送交響楽団、シュトットガルト室内管弦楽団、京都市交響楽団などと共演。またコンツェルトハウス ベルリン、紀尾井ホールで開催したソロリサイタルはいずれも高い評価を得た。
平成25年度平和堂財団芸術奨励賞音楽部門受賞、同財団海外留学助成者。2018/19年度公益財団法人ロームミュージックファンデーション奨学生。Chanel Pygmalion Days 2019アーティスト。
これまで村上久仁子、田隅靖子、ギレアド・ミショリ、エマニュエル・シュトロッセ、パスカル・ドヴァイヨン各氏に師事。現在ベルリン芸術大学にてクラウス・ヘルヴィヒ氏の指導を受ける。
Yugen Trio(ピアノ三重奏)
受賞公演:「Yugen Trio Recital 日本凱旋公演」 2019年10月12日(土)
【評価】エレガントで洗練された響きを持つアンサンブル。互いがリスペクトし合い、作曲家への共通の思いがなければ達し得ない響きを聴かせた。音の輝きに心を奪われる演奏会であった。
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西川 鞠子(ヴァイオリン)/ファン・マリア・ラゾ・ヤラス(チェロ)/山本弥香(ピアノ)
ニュルンベルク音楽大学内で結成。2018年10月よりミュンヘン音楽大学室内楽科にて、フォーレ四重奏団のディルク・モメルツ、チェリストのウェン=シン・ヤンの各氏に師事。
2019年、第21回イルザック国際室内楽コンクール(フランス)第1位、第33回FNAPECヨーロッパ室内楽コンクール(フランス)第1位、アントン・ルービンシュタイン国際コンクール(ドイツ)室内楽部門第2位等多数受賞。ヴァイカースハイム城ジュネス国際室内楽キャンパスに参加、ラインガウ賞を受賞し、今年のラインガウ音楽祭(ドイツ)に招待される。著名な教授陣が集まるヨーロッパ最大の室内楽アカデミーECMAに合格。ユーディ・メニューイン設立のLive Music Now ミュンヘンに所属し社会活動を主とした演奏会を行う他、これまでにスペイン、ドイツ、日本で単独演奏会を行い好評を得る。E・フェルツ、アルバンベルククァルテット、アルテミスクァルテット、クァルテットカザルス、クスクァルテットの各氏のマスタークラスを受講。その他V・コック(トリオヴァンダラー)、R・シュミット(ハーゲンクァルテット)、D・ゲーデ、W・マンツ各氏の元で研鑽を積む。