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特別インタビュー掲載(2024/2/17 クァルテット・インテグラ -ベートーヴェン、未来を託す‐)

2023.10.25

2021年にバルトーク国際コンクール弦楽四重奏部⾨第1位、翌年にはミュンヘン国際⾳楽コンクール弦楽四重奏部⾨第2位、併せて聴衆賞受賞の快挙を達成した、最も勢いのある若⼿弦楽四重奏団。 クァルテットのみなさんにお話を伺いました。

 

■今年で結成8年⽬とのことですが、出会いのきっかけを教えてください。

 出会いのきっかけは桐朋学園での室内楽のカリキュラムです。基本的には1年間学生が自由に室内楽のグループを組み、2人の先生から合わせて年間10回のレッスンを受けられるというものです。 普通は1年間終わったらまた別のグループを組むことが多いのですが、私たちはそのまま8年間続けてきました。ほとんどの学生が自分のソロの勉強を優先して、その傍らで室内楽をやるのですが、私たちはなぜか室内楽へのモチベーションが高く、そのころから学校で一番リハーサルをしているグループだったと思います。始めた頃はとにかく楽しくて、思い出すととても懐かしいです。  

■世界的なコンクールへの出場経験を経て、クァルテット・インテグラの強味や個性はどんなところだと感じられましたか︖ 

(c)DanielDelang

 国際コンクールを経て感じた私たちの個性は、アンサンブルの密度みたいなものが濃いことだと思いました。それがどこから来るのかは分かりません。ただ弦楽四重奏に対するある種の狂気的な情熱みたいなものがあるのかもしれません。コンクールで海外の同世代の優秀なグループにたくさん出会いましたが、彼らはどこか冷静に弦楽四重奏に取り組んでいるように見えました。私たちは弦楽四重奏に取り憑かれているような部分があるので、上手さよりもそこが他のグループとは違ったような気がしました。
  


■昨年の秋より、アメリカを代表するトップクラスの⾳楽院 コルバーンスクールのレジデンスアーティストとして在籍されているとのことですが、1年が経過し、演奏にどのような変化がありましたか︖
 

 ロサンゼルスにいると日本にいる時のような安心感はないので、それによって自分が弾いていることに対する責任感が強まったような気がします。これまでもそうでしたが、アメリカではより一層クァルテット漬けの生活になりました。4人同じ建物(学校の寮)に住み、嫌でも毎日顔を合わせます。今はこのクァルテットに自分たちの人生を預けているような感覚です。色々な刺激を受けながら、苦しみながら、これからもやっていくんだなということを理解し、続けていく覚悟を持ちました。  

(c)DanielDelang

■今回は、ベートーヴェン最後の作品群という⼤曲に挑まれますが、聴きどころを教えてく ださい。

 ベートーヴェンに取り組むことは弦楽四重奏を演奏する者にとって、宿命であると思います。なぜなら彼が弦楽四重奏というジャンルを開拓した人物だと思うからです。それぞれのパートが確立して一つの音楽を作り上げるということを彼は目指したのではないかと思います。作品131は私たちにとって、ミュンヘンのコンクールのファイナルでも演奏した特別な作品です。私たちの思うベートーヴェン感みたいなものはこの作品から来ていると思います。作品132は私たちにとって新しい曲です。まだ演奏したことがないので、これから大曲に挑むことになります。作品135はベートーヴェンの死の5ヶ月前に完成しました。彼にとって弦楽四重奏がいかに大切な存在だったかが伺えます。
  

■クァルテット・インテグラの今後の⽬標をお聞かせください。

 今後の目標は海外での活動の幅を広げていくことです。今は自分たちが育ってきた文化とは違うところに身を置くことが重要な気がしています。それがきっと人としての奥行きになり、音楽家としての深みに繋がって行くのだと思います。最終的には日本とアメリカとヨーロッパを同じくらいの割合で演奏させて頂けるようなクァルテットになりたいです。  

■お客様へのメッセージをお願いします。

(c)DanielDelang

 私たちが一番大切にしているベートーヴェンの弦楽四重奏、その中でも彼の人生そのものが詰まっているような後期の3つの弦楽四重奏曲を一度に演奏するのはとても特別なコンサートだと思います。3つの作品を通して彼が何を書きたかったのか何を私たちに伝えたかったのかがわかるような気がします。この演奏会を通して、ベートーヴェンはもちろん、みなさんが思う弦楽四重奏の世界がより広がること間違いなしです!当日、みなさまと会場でお会いできるのを楽しみにしております。

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2024年2月17日(土)「クァルテット・インテグラ – ベートーヴェン、未来を託す」公演情報・チケット購入情報は⇒こちら