公演情報
入場料
【全席指定】★予定枚数終了。当日券の販売はございませんので、ご了承いただけますよう、お願いいたします。
開催日時 | 2019年 9月28日(土) 15:00開演(14:30開場) |
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出演者 | 佐藤俊介(ヴァイオリン) オランダ・バッハ協会管弦楽団(管弦楽) |
演奏曲目 | ◆J.S.バッハ:管弦楽 組曲 第1番 ハ長調 BWV1066 ◆ピゼンデル:ダンスの性格の模倣 ◆J.S.バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R ◆J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042 ◆ビュファルダン:5声の協奏曲 ホ短調より、第2楽章 ◆J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV1050 |
※「J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番」について、広報印刷物に調性の表記ミスがあり、訂正いたしました。 | |
チケット販売・ お問い合わせ |
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佐藤俊介さんへの質問と回答
Q)古楽との出会いは、いつ、どんなきっかけでしたか?
18歳までジュリアード音楽院のプレカレッジにいたので、すっかりアメリカのスタイルに染まっていました。当時のアメリカでは、古楽器が今ほど広まっていなかったのです。興味を持ったきっかけは父が所有していたディスク。クリストファー・ホグウッドが指揮した録音などを聴きながら、「ヨーロッパは何かが違う」と、ぼんやり考えていました。10代の終わりになって「アメリカにないもの」を知りたくなり、ジェラール・プーレ先生らのプライベート・レッスンを受けたり、ピリオド(時代)楽器のコンサートに出かけたりしはじめました。面白いほどに環境がどんどん整い、短期間でコンチェルト・ケルンのコンサートマスターに就くまできたのは、本当に運が良かったと思います。
Q)佐藤さんが感じる古楽の魅力とは?また、モダン楽器とピリオド楽器では、それぞれどんなことに気を配って演奏していますか?
古楽は、楽器そのものと一体。ヴァイオリンを例に挙げても、弦の太さだけで3種類あります。チェンバロも調弦方法がいくつも存在します。色々と見直しながら、同じ形の楽器でも全然ちがう音が出ることは古楽器の魅力。表現方法においても、曲そのものだけでなく作曲家の人物像や時代、政治・社会状況など多方面に目を配りながら、過去を表現します。ちょっと、タイムマシンの感覚かもしれません。
一方、モダン楽器だからといって、何もしないのも問題です。同時代の最新作だけ弾いているのなら別ですが、第2次世界大戦までのクラシック、例えばブラームスやラヴェルにも歴史的情報がぎっしり詰まっており、それを踏まえて演奏しなければなりません。ベートーヴェンのソナタを弾く際、モダン楽器でも弦をガットにするか、スチールにするかで全く異なる結果を生みますからね。
Q)オランダ・バッハ協会の特色を教えてください。
メンバーは知識と専門性、情熱を兼ね備え、ほとんど全員が僕より年上です。彼らの年季や経験に加え、純粋に音楽を人生と考える姿勢が素晴らしい。人間的にもやりやすく、温かい音色がします。僕が『ちょっと変わったことをやってみよう』と、ワークショップや異なるジャンルとの交流などのリスクを冒そうとしても、音楽的に裏付けのある内容であれば認め、楽しみながら高水準の演奏をすぐに実現してしまう凄腕集団でもあります。
Q)これからのオランダ・バッハ協会は、何を目指していますか?また音楽監督になったことで実現したいことがあれば教えてください。
就任してみて改めて、ヨーロッパでも老舗の古楽演奏団体としての存在感の大きさを実感しています。僕がやるべきは曲目、共演者、演奏会のスタイルなど、それぞれのポイントで『今の形のままでいいのか』と、問いかけることです。今の世界の政治、経済、社会のあらゆる場面に問題が生じているなか、音楽が果たせるポジティブな役割とは何かを絶えず考えています。具体的には子どもや学生に対するレッスン、コーチングを日常の活動に組み入れるところから始めますが、もっと大きいことを発想、全く新しいプラットフォームに載せてみたいとも、夢みています。
Q)今回の来日演奏会では、どんな点に注目して聴いてほしいですか?
今回の日本ツアーのプログラミングは、もちろんJ.S.バッハの作品が中心ですが、友人のピゼンデル、ドレスデンにいたフランス人のフラウトトラヴェルソの名手ビュファルダン、作曲の弟子でもあり若くして亡くなったザクセン=ヴァイマール公ヨハン・エルンスト、さらにヴィヴァルディら、バッハに直接間接の影響を与えた人物の作品を交え、バッハ周辺の人間関係まで可視化するプログラムです。
Q)演奏会を楽しみに待っていらっしゃる皆さまへメッセージをお願いします。
とにかく聴きにいらしてください!
インタビュアー:池田卓夫(音楽ジャーナリスト@いけたく本舗)
2019年4月5日、電話インタビュー、協力:朝日新聞社